3泊4日マチュピチュへの旅 ~必死のワイナピチュ編~

マチピチュ遺跡の段々畑で栽培されていたというイチゴも夜中に降った雨にしっとり濡れて
マチピチュサンクチュアリロッヂの部屋から見える朝5時の景色は
青みがかった空気がとても印象的でした。遺跡の入場開始は朝6時。ホテルで朝食をとり6時に遺跡に入れば日差しがきつくまぶしいほどの日中の遺跡とはまた全然違った幻想的な風景が。
リャマちゃんたちは出番待ち?!
朝霧の中にぼんやり浮かぶ遺跡のシルエット。まさに「神聖なる場所」という雰囲気。
遺跡の最高峰「インディワタナ」のピラミッド。冬至の夜明け、ほんの少しの間だけ現れる光の三角形の示す先には謎のマークが掘られてあってそれがインカのマークなのかはいまだ謎だということ、またこの角柱は太陽の動く道を表している太陽神の礼拝所ではないかという説も文字を持たなかったインカ帝国にあってはすべてが正確には実証されていないそうで晴れていれば眼下に見渡せる遺跡の段々畑や山々も白い霧の中に隠れてこの角柱だけが浮かび上がっていたせいで余計にこの石が謎めいた存在に感じてしばし立ち止まり見入ってしまいました。
6時の入場から1時間後の朝7時まで人気のいない厳かな雰囲気の遺跡をゆっくり堪能した後、いよいよワイナピチュ入山となりました。マチュピチュ遺跡に入るには事前購入の「遺跡入場券」と「パスポート」が必要なのだけれどこのワイナピチュに登るには「マチュピチュ&ワイナピチュ入場券」と「パスポート」が必要。これまた事前にネット予約してチケットをプリントアウトしておく必要があります。(マチュピチュ遺跡だけとは入場料も違います)ワイナピチュへの入山は1日400人限定。(7時と10時にそれぞれ200人ずつ)事前予約のチケットとパスポートがなければ入れてもらえないので「時間があるからあそこにもちょっと行ってみようか」とはいかないのがつらいところ。(現に「ワイナピチュ入場券」をもっていなくて時間通りに待っていたのに中に入れてもらえない人たちがいたので登ってみたい方は事前の準備が必須です)
ちなみに後ろの矢印の山が「ワイナピチュ」「一体どうやって登るんだろう…」と思わせる断崖絶壁。
さてさて。予定通り7時きっかりに入場開始となりパスポートと入場券を見せて名前を記入していざ出発!!私たちは約20番目に入ったのだけれど並んでいる人たちは年齢も国籍も多種多様。いわゆる「トレッキング」用のいでたちの人もいればTシャツにジーンズにスポーツシューズの人も。トレッキングシューズとまではいかなくても朝露や前日の雨で石がぬれていることも多いので履きなれた靴底の滑りにくいタイプの靴がベストかと。そしてこれはたぶん私たちだけだったように見えたけれどモノスゴク役に立ったのがこの↑「軍手」岩場を四つん這いになってよじ登ったりワイヤーやロープにつかまって歩くのに手を傷つける心配もなくすべらない「軍手」(2枚100円のですが)がものすご~く役に立ちました!!
山頂が見えないのが緊張感と期待感をさらに膨らませ…
次の1歩が「胸の高さ」に近い階段をただひたすらひたすら登り
お役立ちグッツの軍手を使って四つん這いでよじ登りながらサンパウロに置いてきた4つ足の花ちゃんを思い出し
体半分ほどの幅とかがみこんでやっとの岩の隙間を潜り抜ければ…
約40分で山頂到~着(軍手のせいなのか汗びっしょりで疲れているからか「日曜大工のお父さん」にしか見えないのがちょっとイタイ…)
山頂はごつごつした岩がいくつかあってそれぞれの岩に腰かけて霧が晴れるのを待つという感じ。
体力には全然自信もなく周りにいた他の人に比べれば格好も全く本格的ではなく「普段着で軍手はめて来ちゃいました」という私たちだったけれどゆっくりカメさんの歩みで一歩一歩進んでいたらなんと一番てっぺんの一番良い岩に最初に辿り着いてしまい(途中、車社会の国の順に登っている人が脱落しているのが面白かった)一番の特等席でマチュピチュ遺跡が現れるのを待つことができました。
「マチュピチュ、まだかな~」で待つこと約15分
これぞ絶景なり~
山肌の左に見えるジグザグが麓からのジグザグ道、そして「羽をひろげたコンドル」の形と言われれている遺跡の全貌もしっかり見ることができました。(黄色い部分がコンドルの頭の部分)そして約20分、最高の眺めを堪能して岩を降りると出会ったのが
出ました!!こちらの道しるべ。こちら、ただの道しるべにしか見えないと思うけれど花子家にしてみれば絶対に一生忘れることのないであろう衝撃の道しるべ…左に行けばマチュピチュ、つまり今来た道を戻る道、そして右に行くのは「Gran Caverna」(スペイン語で「大きい洞窟」、日本のガイドブックでは「次の神殿」として載っています)「行くまでに40分って書いてあるし、さっき来た道を下って人とすれ違うより良いんじゃない?」と「月の神殿」を通って帰る道を選択した花子家。
ワイナピチュの入り口にあった地図だと「月の神殿」を通って帰るのは赤い線で示したルート、つまりワイナピチュをぐるっと一周して下るコース。(緑の線は頂上まで行って同じ道を戻って帰るコース)
「下りの方が足にくるからゆっくりね」とやはり行きと同じように1段1段の高さが非常に高い石の階段を慎重に降りながらすすむ私たち。このルートで「月の神殿」に行く人はあまり多くないようで前後にほとんど誰もいなく自分たちのペースで進めるのは良かったのだけれど
断崖絶壁の切り立った岩の間に一体どうやって作ったのか想像すらできない階段を延々と下り
登りにはなかった垂直の木の梯子も2度ほど降りるかなりハードな道…(ここでも濡れて滑りやすい木に軍手が大活躍)
「結構足に堪えるな~」と感じながら山の中の苔むした岩を一歩一歩慎重に下ること40分。マチュピチュ遺跡とはまた趣が全然違って既に山の自然と融和し始めている「月の神殿」に辿り着いた時にはすでに疲れがピークに…
「月の神殿」の上部はこんな小さな監視部屋のような部屋で
その下は1枚岩のとてもひんやりした洞窟。内部には何かをお供えしていたような形の石組みが数か所ありました。西方に向いているこの神殿は焼き物の土器などが発見されたことからも月を崇拝し儀式をおこなった神殿と考えられているそうです。…しかし…実のところ花子家、2人ともこの時点で相当疲れが来ていて山頂で落ち着いたはずの汗もまた吹き出し(たぶん気温は10度ぐらいでしたが…)あまり月の神殿の写真がありませんそして更にここで目にしたものは「マチュピチュ遺跡まであと1時間半」という看板とともになぜかものすご~く急な「のぼり坂」…「下って帰る」という勝手なイメージを持っていた私たちを待ち構えていたのは山頂行きと同じかそれ以上の急激な上り坂、それも今度はうっそうと茂った森林の中のほとんど崩れかかったインカ道でしたその後の1時間半はたぶん今まで生きてきた中で「一番頑張った」1時間半だったと思う。彼は完全に「無の境地」に入っていたし(後から聞いたら私がダメになったら担いで歩いてどのぐらい自分が耐えられるだろうかと真剣に考えていたらしいけど…)私は今までの「辛かった出来事」を片っ端から思いだし、「あれができたんだからこの階段も登れる」と自分を鼓舞しつづけ…という1時間半でしたうっそうと茂った誰~もいない山の中の岩の折り重なった道を黙々とただ一つの坂を乗り越えて、また次に現れる乗り越えられそうもない岩の道を前に打ちのめされて「ゆったりのんびりマチュピチュ遺跡の旅って目的じゃなかったっけ~??」な~んて冗談を言い合える余裕すらなくただただ必死で歩いたインカ道。まあ、そんなこんなで残念ながらもちろん一枚も写真なんてとる余裕はありませんでしたが花子家の脳裏にはしっかりと焼きついた「月の神殿」とワイナピチュ1周の道のりだったのでした…
ワイナピチュを一周りして山頂行きの時に通った道と合流したのは10時45分(ほぼ4時間のトレッキング!)もう空はこんなにすっきりと晴れ渡り、第2陣の200人の入山者が歩き始めていました。
ワイナピチュの出口で入り口で記入したノートにもう一度サインをして「ワイナピチュ入山」スタンプをなんとパスポートに押してもらいました…と、ここまで散々「大変だった」「必死だった」と言ってきたワイナピチュですが山頂まで登ってその道を戻るルートならちょっと頑張れば成人で足腰に問題ない人なら登るのはそんなに無理なことではないと思います。やっぱりマチュピチュを上から眺めるあの景色は写真でも言葉でも表せられないほどの素晴らしいものですから時間に余裕のある方は是非お勧めです!そして私たちのように「月の神殿」まで行ってそのワイナピチュ1周のインカ道をたどればより大きなスケールでマチュピチュ遺跡やインカ帝国について体感できること間違いなしですよ~!!!「ゆったりのんびり~」のはずの旅に期せずして「ビリリ!!!!」とスパイスの効いた遺跡めぐりだったのでした。その後、いそいでチェックアウト時刻11時のぎりぎりにホテルに戻りすぐさまチェックアウト、Tシャツが絞れるほどの汗をかいた私たちはホテル宿泊者だけの特権、チェックアウト後も自由にシャワーやお部屋が使えて飲み物も飲める「DayRoom」にてきれいさっぱりシャワーを浴びてしばしお互いの健闘をたたえあったのでした
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